47fb1f5622851cc919052308b95eb66c
com[0124]12_翔ける部室棟e.ks
*com01_0124_12
env
envupdate
update
init
new
bgm
revupdate
del
wait
meswinload
page
both
*dummy1
f.route_return
f.chapter
序章 3:10 pm
駆ける部室棟
timepop
text
size
time
2700
placepop
成稜学園 《部室棟前》
2000
delay
700
bu
layer
leveloffset
xpos
ypos
zoomx
zoomy
opacity
zpos
bg23_01
cg_bg23_01
se
-3
MoveAction
se004b
trans
universal
idou_lx
1000
300
bgm05
wact
quake
hmax
0
vmax
5
se047b
msgon
delayrun
w21
bgm_BGM05
cg_颯太朗.stand
颯太朗
character
lse
loopse
se030a
se026p
er
all
true
msgoff
1500
4
#0,0,0,0,,-333
se024c
se023a
500
*dummy2
序章 3:15 pm
女子生徒B
風紀執行部B
「こっちよ! 部室棟へ逃げ込んだって!」
com1_mob07_1
少し離れたところから、\\n女子生徒の声が聞こえてくる。
少し離れたところから、女子生徒の声が聞こえてくる。
「……部室棟か。これはまた、面倒なところへ\\n逃げ込んでくれたな」
「……部室棟か。これはまた、面倒なところへ逃げ込んでくれたな」
俺は今、学園に迷い込んだという\\n“謎の生物”を追いかけていた。
俺は今、学園に迷い込んだという“謎の生物”を追いかけていた。
その生物は、校舎内の至るところで\\n目撃されているが、詳細な姿形までは不明。
その生物は、校舎内の至るところで目撃されているが、詳細な姿形までは不明。
“小型動物くらいの大きさだった”という\\n情報を聞いてはいるが……[さだ]定かではない。
“小型動物くらいの大きさだった”という情報を聞いてはいるが……さだかではない。
“小型動物くらいの大きさだった”という情報を聞いてはいるが……定かではない。
ざわざわ%p-1;%fMS ゴシック;―――%p;%fuser;。
ざわざわ―――。
先ほどの女子生徒の声を聞いて、\\n周囲の生徒たちが[ざわ]騒めき立つ。
先ほどの女子生徒の声を聞いて、周囲の生徒たちがざわめき立つ。
先ほどの女子生徒の声を聞いて、周囲の生徒たちが騒めき立つ。
しばらくすると、辺りにいる腕章を付けた\\n生徒たちが一斉に動き出した。
しばらくすると、辺りにいる腕章を付けた生徒たちが一斉に動き出した。
いよいよ突入開始らしい。\\n俺もその後を追う。
いよいよ突入開始らしい。俺もその後を追う。
部室棟 《1階廊下》
se026c
sen01
stage
bg24_01_01
rotate
@+1
@-2
@+2
@-1
loop
sen
se012a
baku
800
cg_sen
f0
f1
frame_u
frame_d
cg_frame_u
cg_frame_d
fade
crossfade
100
bo
1
bg00_01
cg_bg00_01
rou
cg_bg24_01_01
se047a
se026d
se026g
cg_ナナ.stand
ナナ
se033a
3
ka
kaidan
#0,0,0,0,0,80
cg_kaidan
-1
se013f
se031a
se006b
se033b
se031d
wo
bg99_01
cg_bg99_01
se031b
se021f
na
iv0125a
gya1
gya2
gya3
gya4
se033f
se058f
se020e
se028a
se028q
cg_iv0125a
cg_gya1
cg_gya2
cg_gya3
cg_gya4
50
se029d
se053h
wo2
se038c
se033g
na2
iv0125b
cg_iv0125b
4000
SinAction
15
se033c
se028g
na3
iv0125c
se019e
cg_iv0125c
se035c
se013a
2500
na4
iv0125d
cg_iv0125d
se063c
se021e
se006a
se053l
10
se032a
mg01
mg02
mg101a
mg101b
se063b
@-5
@
cg_MG101a
cg_MG101b
se031c
se032b
se026l
mg08
cg_MG08
se026e
bgm06
bgm_BGM06
bgm14
bgm_BGM14
se024d
se024a
lse2
se079g
se079a
cg_耶々.stand
耶々
msgwin
#0,0,0,0,4,-265
originy
originx
#0,0,0,0,3,-265
visvalue
face耶々.stand
制服
微笑1
P1
顔
se062c
w29
se062g
#0,0,0,0,-47,-265
思案2
P2
真顔1
強笑2
思案1
ジト
endrecollection
"route.ks"+f.route_return
タッタッタ%p-1;%fMS ゴシック;―――%p;%fuser;。
タッタッタ―――。
俺は前を走っている生徒たちの\\n会話に耳を傾ける。
俺は前を走っている生徒たちの会話に耳を傾ける。
女子生徒A
「ねぇ、結局私たちが追いかけているのって\\nなんなの? 猫って聞いたけど……」
com1_mob06_1
「ねぇ、結局私たちが追いかけているのってなんなの? 猫って聞いたけど……」
「えっ、私はウサギだって聞いたけど……?」
com1_mob07_2
「ああもう、情報が[さくそう,1]錯綜してるわね!\\nこうなったら捕まえてみるまでよ!」
com1_mob06_2
「ああもう、情報がさくそうしてるわね!こうなったら捕まえてみるまでよ!」
「ああもう、情報が錯綜してるわね!こうなったら捕まえてみるまでよ!」
彼らは風紀執行部員。
目的は俺と同じで、恐らく\\n“謎の生物”の[ほかく,1]捕獲だろう。
目的は俺と同じで、恐らく“謎の生物”のほかくだろう。
目的は俺と同じで、恐らく“謎の生物”の捕獲だろう。
だが彼らと俺は、仲間というわけではなく、\\n協力関係でもない。
だが彼らと俺は、仲間というわけではなく、協力関係でもない。
どちらかと言えば、同じ対象を取り合う\\n[ライバル]敵に分類される。
どちらかと言えば、同じ対象を取り合うライバルに分類される。
どちらかと言えば、同じ対象を取り合う敵に分類される。
「……しかしウサギ、という情報は\\n初耳だな」
「……しかしウサギ、という情報は初耳だな」
風紀執行部は、俺たちとは違って\\n優秀且つ、規模の大きい集団だが……。
風紀執行部は、俺たちとは違って優秀且つ、規模の大きい集団だが……。
彼らですら、どういった生物を追いかけているのか\\n分かっていないらしい。
彼らですら、どういった生物を追いかけているのか分かっていないらしい。
その点では、情報はさして\\n俺と変わらないようだ。
その点では、情報はさして俺と変わらないようだ。
駆けながら、俺たちは少し広めの\\n踊り場付近までやってきた。
駆けながら、俺たちは少し広めの踊り場付近までやってきた。
廊下と階段で道が別れている……。
風紀執行部A
「こっちよ、こっち!\\n階段を登っていったわ!」
com1_mob06_3
「こっちよ、こっち!階段を登っていったわ!」
男子生徒A
風紀執行部C
「君らはそのまま階段を登って追い込んでくれ!\\n俺たちは迂回して[はさ]挟み撃ちにする……!」
com1_mob01_1
「君らはそのまま階段を登って追い込んでくれ!俺たちは迂回してはさみ撃ちにする……!」
「君らはそのまま階段を登って追い込んでくれ!俺たちは迂回して挟み撃ちにする……!」
「わかりました!!」
com1_mob07_3
そう言って、男子生徒はそのまま\\n廊下を真っ直ぐ駆けていった。
そう言って、男子生徒はそのまま廊下を真っ直ぐ駆けていった。
どうやら[あ い て,4]風紀執行部は\\n二手に別れるようだ。
どうやらあ い ては二手に別れるようだ。
どうやら風紀執行部は二手に別れるようだ。
残った女子生徒は、二人で頷きあい\\n階段を登っていく。
残った女子生徒は、二人で頷きあい階段を登っていく。
……さて、どうしたものか。
「確率的にどちらが有利だ?\\n真っ直ぐ進むべきか、登るべきか……」
「確率的にどちらが有利だ?真っ直ぐ進むべきか、登るべきか……」
????
「なーっ!」
com1_Nana_1
「今の声は%p-1;%fMS ゴシック;―――%p;%fuser;!?」
「今の声は―――!?」
上の階からか、謎の生物らしき鳴き声が\\n聞こえてきた。
上の階からか、謎の生物らしき鳴き声が聞こえてきた。
もしかすると、風紀執行部の連中が\\n[きょうげき,1]挟撃に成功したのかもしれない。
もしかすると、風紀執行部の連中がきょうげきに成功したのかもしれない。
もしかすると、風紀執行部の連中が挟撃に成功したのかもしれない。
%p-1;%fMS ゴシック;―――%p;%fuser;だが。
―――だが。
謎の生物
「んなっ……!」
com1_Nana_2
「ひゃあっ、私のスカートの中を\\nすり抜けるだなんてっ!?」
com1_mob07_4
「ひゃあっ、私のスカートの中をすり抜けるだなんてっ!?」
「なんて素早い動きなの……!\\n生物がまた下の階に%p-1;%fMS ゴシック;―――%p;%fuser;追うわよ!」
com1_mob06_4
「なんて素早い動きなの……!生物がまた下の階に―――追うわよ!」
どうやら、女子生徒たちより、\\n謎の生物のほうが一枚[うわて,1]上手のようだ。
どうやら、女子生徒たちより、謎の生物のほうが一枚うわてのようだ。
どうやら、女子生徒たちより、謎の生物のほうが一枚上手のようだ。
俺は階段へ踏み出した足を止め、\\n上を見上げる。
俺は階段へ踏み出した足を止め、上を見上げる。
ヒュンッ!
ちょうど手すりを越えて、上階から\\n小さな黒い影が飛び出してくるのが見えた。
ちょうど手すりを越えて、上階から小さな黒い影が飛び出してくるのが見えた。
だが……逆光でよく見えない。
「速い……!」
女の子たちが慌てるのも分かる。
だがいくら速くとも、着地の瞬間だけは\\nどうやっても隙が生まれる、はず!
だがいくら速くとも、着地の瞬間だけはどうやっても隙が生まれる、はず!
「……今だ!」
タイミングを見計らって、\\n俺は影の着地点へ向かって手を伸ばす%p-1;%fMS ゴシック;―――%p;%fuser;!!
タイミングを見計らって、俺は影の着地点へ向かって手を伸ばす―――!!
フワ……!
「な、なに!?」
一瞬、黒い影に[ふりょく,1]浮力のようなものが\\n発生した気がした。
一瞬、黒い影にふりょくのようなものが発生した気がした。
一瞬、黒い影に浮力のようなものが発生した気がした。
そのせいか、わずかに落下速度が遅くなり、\\n俺は捕らえるタイミングを逃してしまう。
そのせいか、わずかに落下速度が遅くなり、俺は捕らえるタイミングを逃してしまう。
「なあっ!」
com1_Nana_3
黒い影は、俺の伸ばした手を[かわ]躱して\\n目の前へ着地。
黒い影は、俺の伸ばした手をかわして目の前へ着地。
黒い影は、俺の伸ばした手を躱して目の前へ着地。
そのまま再びジャンプ。\\nしかも今度は俺の頭上を飛び越え%p-1;%fMS ゴシック;―――%p;%fuser;!
そのまま再びジャンプ。しかも今度は俺の頭上を飛び越え―――!
「くっ……だがまだだ!」
バランスの悪い階段の上で、\\n俺は必死に手を伸ばして[もが,1]藻掻く。
バランスの悪い階段の上で、俺は必死に手を伸ばしてもがく。
バランスの悪い階段の上で、俺は必死に手を伸ばして藻掻く。
「跳んだところを、上手く捕まえられれば%p-1;%fMS ゴシック;―――%p;%fuser;!」
「跳んだところを、上手く捕まえられれば―――!」
俺は頭上を飛び越えようとする\\n黒い影へ向かって、もう一度手を%p-1;%fMS ゴシック;―――%p;%fuser;。
俺は頭上を飛び越えようとする黒い影へ向かって、もう一度手を―――。
だが、伸ばした手の先に、\\n俺は信じられないものを見た。
だが、伸ばした手の先に、俺は信じられないものを見た。
「な%p-1;%fMS ゴシック;―――%p;%fuser;[・]羽、だと!?」
「な―――羽、だと!?」
そいつは、想定していた猫でも犬でも\\nウサギでもない……?
そいつは、想定していた猫でも犬でもウサギでもない……?
今、俺の頭上を飛び越えようとしている\\n生物の背中に、なぜか羽が……ついている!?
今、俺の頭上を飛び越えようとしている生物の背中に、なぜか羽が……ついている!?
謎の浮力はその羽のせいなのか?
「……って、うわっ!?」
ドタンッ!!
俺は面食らって、その生物を捕まえるどころか、\\nバランスを崩してその場に倒れてしまった。
俺は面食らって、その生物を捕まえるどころか、バランスを崩してその場に倒れてしまった。
「いつつ……!\\n羽に気を取られた」
「いつつ……!羽に気を取られた」
謎の生物は、そんな俺に構わず\\n[ゆうゆう,1]悠々と踊り場に着地する。
謎の生物は、そんな俺に構わずゆうゆうと踊り場に着地する。
謎の生物は、そんな俺に構わず悠々と踊り場に着地する。
「……どういうことだ?\\nここに来て、まさかの鳥説……!?」
「……どういうことだ?ここに来て、まさかの鳥説……!?」
「んなな~っ!」
com1_Nana_4
そうして、妙な鳴き声をあげると\\nソイツは廊下の向こうへと駆けていってしまった。
そうして、妙な鳴き声をあげるとソイツは廊下の向こうへと駆けていってしまった。
「…………」
「……いや、でも今、廊下を四本足で\\n走っていかなかったか?」
「……いや、でも今、廊下を四本足で走っていかなかったか?」
そうなると、鳥じゃない……?
あの謎の生物の正体はいったい%p-1;%fMS ゴシック;―――%p;%fuser;。
あの謎の生物の正体はいったい―――。
いろいろと考えながら、\\n俺は制服を[はた]叩きながら立ち上がった。
いろいろと考えながら、俺は制服をはたきながら立ち上がった。
いろいろと考えながら、俺は制服を叩きながら立ち上がった。
「ん……?」
生物が着地したあたりに、\\nなにか落ちているのに気がついた。
生物が着地したあたりに、なにか落ちているのに気がついた。
「これは包装紙……か?」
大きさは5cm四方ほど。\\n[しま]縞模様をしていて、恐らく飴玉かなにかを包む紙だ。
大きさは5cm四方ほど。しま模様をしていて、恐らく飴玉かなにかを包む紙だ。
大きさは5cm四方ほど。縞模様をしていて、恐らく飴玉かなにかを包む紙だ。
あいつがくわえていたのだろうか。
ドタドタドタ%p-1;%fMS ゴシック;―――%p;%fuser;!
ドタドタドタ―――!
上階にいた風紀執行部の面々が、\\n慌ただしく階段を下りてくる。
上階にいた風紀執行部の面々が、慌ただしく階段を下りてくる。
「お、おい、見た……よな?\\nあいつ羽が生えてたぞ?」
com1_mob01_2
「お、おい、見た……よな?あいつ羽が生えてたぞ?」
「もう! 鳥なのに走って逃げるなんて\\n聞いてないわよ~」
com1_mob07_5
「もう! 鳥なのに走って逃げるなんて聞いてないわよ~」
「本当に鳥なの?\\n四本足の鳥なんて聞いたことないわ」
com1_mob06_5
「本当に鳥なの?四本足の鳥なんて聞いたことないわ」
男子生徒C
風紀執行部D
「分かってませんねぇ。僕の推測では、恐らく\\nあれは神話上の生物、グリフォンの[まつえい,1]末裔じゃないかと……」
com1_mob03_1
「分かってませんねぇ。僕の推測では、恐らくあれは神話上の生物、グリフォンのまつえいじゃないかと……」
「分かってませんねぇ。僕の推測では、恐らくあれは神話上の生物、グリフォンの末裔じゃないかと……」
男子生徒B
風紀執行部E
「いや、それとも猫と犬、そしてウサギと鳥ときた。\\nとなるともしや、科学部が極秘裏に精製した\\nキメラという線も%p-1;%fMS ゴシック;―――%p;%fuser;」
com1_mob02_1
「いや、それとも猫と犬、そしてウサギと鳥ときた。となるともしや、科学部が極秘裏に精製したキメラという線も―――」
「あはは……なにそれ。捕まえたら\\n賞金とか出るのかな」
com1_mob07_6
「あはは……なにそれ。捕まえたら賞金とか出るのかな」
「ツチノコじゃあるまいし、\\nそんな[オカルト,1]怪物があってたまるか!」
com1_mob01_3
「ツチノコじゃあるまいし、そんなオカルトがあってたまるか!」
「ツチノコじゃあるまいし、そんな怪物があってたまるか!」
「とにかく、あれはなんらかの小動物ね。\\n私たち風紀執行部だけで捕まえるわよ!」
com1_mob06_6
「とにかく、あれはなんらかの小動物ね。私たち風紀執行部だけで捕まえるわよ!」
まるで俺に「手を出すな」と威圧でも\\nするように言い放つ。
まるで俺に「手を出すな」と威圧でもするように言い放つ。
俺の所属する黄昏部と風紀執行部は\\n立場上、争いの絶えないライバルのような関係だ。
俺の所属する黄昏部と風紀執行部は立場上、争いの絶えないライバルのような関係だ。
個人的には、ああいう面倒な捕獲なんてものは\\n大人数の風紀執行部に任せたいところだが。
個人的には、ああいう面倒な捕獲なんてものは大人数の風紀執行部に任せたいところだが。
ただ、黄昏部の部員である俺は、\\n今はあいつを捕まえる必要があった。
ただ、黄昏部の部員である俺は、今はあいつを捕まえる必要があった。
「B班? こちらはA班。目標は北に向かって逃走中。\\n今から先回りは……よし、さすがね!」
com1_mob06_7
「B班? こちらはA班。目標は北に向かって逃走中。今から先回りは……よし、さすがね!」
「この先ですでにB班が待機しているらしい。\\n行くぞ、このまま行けばヤツはもう袋の鼠だ!」
com1_mob01_4
「この先ですでにB班が待機しているらしい。行くぞ、このまま行けばヤツはもう袋の鼠だ!」
俺を尻目に、風紀執行部の連中が\\n例の動物を追いかけて行った。
俺を尻目に、風紀執行部の連中が例の動物を追いかけて行った。
人員豊富な風紀執行部は、挟撃や待ち伏せなど、\\n単純ながらも効果的な作戦を次々と実行できる。
人員豊富な風紀執行部は、挟撃や待ち伏せなど、単純ながらも効果的な作戦を次々と実行できる。
一方、俺の方はただ一人……、\\nいや、味方なら一人だけいるか。
一方、俺の方はただ一人……、いや、味方なら一人だけいるか。
「あと少しだったのに、絶好のチャンスを\\n逃がしてしまったな……」
「あと少しだったのに、絶好のチャンスを逃がしてしまったな……」
廊下の向こうに消える\\n連中の背中を遠目で見る。
廊下の向こうに消える連中の背中を遠目で見る。
騒々しくしたせいか、外や辺りの部室など、\\nあちこちから人が現れた。
騒々しくしたせいか、外や辺りの部室など、あちこちから人が現れた。
なんだか随分と問題が\\n大きくなってきているな。
なんだか随分と問題が大きくなってきているな。
「それにしても……」
先ほどのあの身軽な動き、姿形からして、\\nヤツの正体は%p-1;%fMS ゴシック;―――%p;%fuser;。
先ほどのあの身軽な動き、姿形からして、ヤツの正体は―――。
……猫だ。猫で間違いない。
「しかし、あの羽はいったい……?」
見たこともない動物だ。
まさか絶滅したドードー鳥とか\\nそう言う[たぐい]類じゃあるまいな。
まさか絶滅したドードー鳥とかそう言うたぐいじゃあるまいな。
まさか絶滅したドードー鳥とかそう言う類じゃあるまいな。
あんなに俊敏に走り回る上に、羽の生えた動物なんて、\\nレッドデータブックでも見たことがない。
あんなに俊敏に走り回る上に、羽の生えた動物なんて、レッドデータブックでも見たことがない。
「まあいい」
多勢に[ぶぜい,1]無勢で、不可解な状況だが、\\nそれでも考えられる手は、全て[つ]尽くすのが俺の信条。
多勢にぶぜいで、不可解な状況だが、それでも考えられる手は、全てつくすのが俺の信条。
多勢に無勢で、不可解な状況だが、それでも考えられる手は、全て尽くすのが俺の信条。
俺はスマートフォンを取り出し、\\n唯一の味方である人物へ電話をかける。
俺はスマートフォンを取り出し、唯一の味方である人物へ電話をかける。
プルルルル%p-1;%fMS ゴシック;―――%p;%fuser;。
プルルルル―――。
%p-1;%fMS ゴシック;―――%p;%fuser;ピッ。
―――ピッ。
「……やぁ、颯太朗くん。\\n鬼ごっこの調子はどうだい?」
com1_Yaya_1
「……やぁ、颯太朗くん。鬼ごっこの調子はどうだい?」
「ああ、[ヤツ,3]謎の生物は今、部室棟1階の中央階段を突破し、\\n廊下を北に向かって逃走中だ」
「ああ、ヤツは今、部室棟1階の中央階段を突破し、廊下を北に向かって逃走中だ」
「ああ、謎の生物は今、部室棟1階の中央階段を突破し、廊下を北に向かって逃走中だ」
「ふぅん。南から北に……っと。\\nまったく、忙しない子だね」
com1_Yaya_2
「ふぅん。南から北に……っと。まったく、忙しない子だね」
電話の向こうで地図を広げ、\\nマジックで線を引く音が聞こえた。
電話の向こうで地図を広げ、マジックで線を引く音が聞こえた。
「そこでだ、これまでにヤツが\\n目撃された場所を知りたい」
「そこでだ、これまでにヤツが目撃された場所を知りたい」
「確認できているのは……\\n食堂、購買部。あとは被服部、\\nといったところだね」
com1_Yaya_3
「確認できているのは……食堂、購買部。あとは被服部、といったところだね」
「なるほど、目撃証言の他に\\nなにか情報は?」
「なるほど、目撃証言の他になにか情報は?」
「えっとだね、食堂では焼き魚。購買部ではリンゴ、\\n被服部では御茶[う]請けの飴玉がなくなったみたいだ」
com1_Yaya_4
「えっとだね、食堂では焼き魚。購買部ではリンゴ、被服部では御茶うけの飴玉がなくなったみたいだ」
「えっとだね、食堂では焼き魚。購買部ではリンゴ、被服部では御茶請けの飴玉がなくなったみたいだ」
「……ふむ、どうやら犯人は\\n誰かに似て食いしん坊さんみたいだな」
「……ふむ、どうやら犯人は誰かに似て食いしん坊さんみたいだな」
先ほど拾った包み紙は、どうやら\\nその時に盗られた飴玉のもののようだった。
先ほど拾った包み紙は、どうやらその時に盗られた飴玉のもののようだった。
「……それは私に対する当て付けかな?」
com1_Yaya_5
「いやいや、そんなわけないさ」
「それより地図があるなら丁度いい。\\n次にあの羽動物が逃げ込みそうなところを探ってくれ」
「それより地図があるなら丁度いい。次にあの羽動物が逃げ込みそうなところを探ってくれ」
ざわざわ……。
今やここの一階は、他の部活も巻き込んで\\nちょっとした騒ぎになっている。
今やここの一階は、他の部活も巻き込んでちょっとした騒ぎになっている。
そうなると、あの羽動物の\\n行き着く先は%p-1;%fMS ゴシック;―――%p;%fuser;。
そうなると、あの羽動物の行き着く先は―――。
「食いしん坊が寄り道しそうで、\\n且つ[ひとけ,1]人気の少ない場所となると……」
「食いしん坊が寄り道しそうで、且つひとけの少ない場所となると……」
「食いしん坊が寄り道しそうで、且つ人気の少ない場所となると……」
「ふむ……そういえば、屋上には\\n園芸部管理の果樹園があったはずだが」
com1_Yaya_6
「ふむ……そういえば、屋上には園芸部管理の果樹園があったはずだが」
「果樹園か……」
「少々賭けだが、俺は部室棟の屋上へ行ってみる。\\n凜堂、なにかあったら連絡をよろしく」
「少々賭けだが、俺は部室棟の屋上へ行ってみる。凜堂、なにかあったら連絡をよろしく」
凜堂
「……まぁ、いいだろう。\\nさっさとケリをつけてくれたまえ」
com1_Yaya_7
「……まぁ、いいだろう。さっさとケリをつけてくれたまえ」
「了解した」
俺は通話を切ると、風紀執行部とは\\n真逆の方向へ[きびす]踵を返す。
俺は通話を切ると、風紀執行部とは真逆の方向へきびすを返す。
俺は通話を切ると、風紀執行部とは真逆の方向へ踵を返す。
そして階段を駆け上がり、部室棟の\\n屋上へと向かったのだった。
そして階段を駆け上がり、部室棟の屋上へと向かったのだった。